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男と女と胃潰瘍

答える人:三浦内科 院長 三浦利重

潰瘍とストレス
潰瘍はありふれた病気で、よく営業の方などが、潰瘍ができて初めて一人前と言われたりするように、ストレスとの関係もしばしば取りざたされます。長く医者をやっていると、劇的なまでにストレスと潰瘍との関係が明らかな人にも会います。二十年以上も前のことなのに今でも印象的に思い出される方に、ちょっとおかしな話ではありますが、子供が生れる頃にはいつもひどい潰瘍を作って入院中という、二十代後半の男の患者さんがおります。この方とは、当人もびっくりするくらいのしっかりした生活史が作れるくらいに、よくよく話し込んでみたのですが、五歳までに両親を失い、何人かのいとこと一緒におじさんの元で育てられたとのことです。成人してからは、かなり喧嘩早い会社員となるのですが、自分が父親になるという事実を目の前にすると、やがていいようもない不安にとらわれて、赤ん坊が生まれる頃には立派な胃潰瘍をつくって入院ということになってしまうのでした。

潰瘍と細菌
 ところで最近は、潰瘍の原因として最も注目されているのは、ばい菌です。十年程前までは胃は強い酸で守られているので、ばい菌は生存できないとされていたのですが、学説も変われば変わるものです。しかも、このヘリコバクター・ピロリと呼ばれる菌は、大人の日本人の約8割の胃の中でぬくぬくと生存を続けているのです。この菌を抗生物質等で除菌してしまえば、治りにくい潰瘍もきれいに治るのではないかと関心を持たれて0います。私のところでも、保険外の処方で、よく患者さんに説明した上で、これらの抗生物質を十数人に投与してみましたが、何回やっても効果のない人もいる反面、他の方法では治りにくかった方がきれいに治った例もありました。
*平成12年10月から胃炎及び十二指腸潰瘍の方でピロリ菌感染が認められる場合は、保健で除菌ができるようになりました。 

潰瘍と男と女

サルに拘束水浸という方法でストレスを与えると雄ザルは、2時間ぐらいで胃に出血が生じ、5〜6時間すると胃の中が血だらけになるのに対し、雌ザルは、4〜5時間たってやっとわずかな出血が始まるといいます。また、日本では潰瘍の発生率は男性は女性の約三倍もみられます。勤務医時代に約五百人の出血性潰瘍を分析したデータでは、四十代の女性は、同世代の男性の実に十分の一しか出血する潰瘍にかかっていません。女性は、性ホルモンに守られて強いといえるかもしれません。黄体ホルモンには精神安定剤的作用が、卵胞ホルモンには血管の弾力性を高める作用があるともいわれています。普段胃カメラをやるときでも、苦もなくこれを受けてくれる人は圧倒的に女性に多いのです。しかし、この同じ女性に、テレビに映る自分の胃を見るよう勧めても、約6割は怖いと言って目を閉じてしまいます。逆に男性は、8割くらいの人が怖いけれど面白いと言って、テレビの画面に見入ります。