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『胃癌をなくそう』 ―無症状でも年1回は検査を受けよう―

答える人:おおの内科 院長 大野秀樹
人生は山あり谷ありといいますが、できればいつも健康で楽しくありたいものです。人も生物である以上、老化や寿命があることは仕方がありません。それ以外に予期せぬ事故や病気によって健康を害することがあります。病気は本人にとってもまわりの人にとってもつらいものです。とくに癌と聞くと治らない病気、死に至る病気とすぐに思われがちです。しかし、最近の医療の進歩により、癌も少しずつ怖い病気ではなくなりつつあります。
 日本人に最も多い癌は胃癌であり、それによる死亡率は男女とも悪性腫瘍の中で第一位です。ただし、幸いなことに近年の胃癌死亡率は減少傾向にあります。これはおもに胃癌の診断法の進歩や治療技術の向上によるものです。
 胃癌はその進行度によって早期胃癌と進行胃癌の二つに大きく分けられます。早期胃癌は癌が胃の壁の浅い部分のみに存在するもので、進行胃癌は癌が胃の壁の深い部分まで達したものです。この二つには治癒率に差があり、早期胃癌は手術すれば90〜100%直すことができます。一方、進行胃癌でも最近は50%位まで治すことができるようになってきました。また、胃癌全体では70%前後まで治癒率が向上してきています。
 胃癌の診断には、一般的にはまずX線検査を行い、次いで内視鏡検査や生検がおもに行われています。胃X線検査ではバリウムを飲んで得られたX線写真から食道・胃・十二指腸の異常を知ることができます。胃内視鏡検査は今まで胃カメラといわれてきたもので、内視鏡を口から挿入し、食道・胃・十二指腸の表面を直接目で視て観察することができます。さらに内視鏡検査では同時に生検を行うことができます。生検とは癌が疑われる部位を一部つまんで癌細胞を調べるもので、最終的な癌の診断が得られます。胃癌を診断するためのこれらの検査は、検査法や検査機器の改良により、以前にくらべてずいぶん楽にできるようになってきています。
 胃癌の治癒率をよくするためには、胃癌をなるべく早く、できれば早期胃癌の段階で発見することがポイントです。 進行胃癌では上腹部に腫瘍を触れたり、体重減少、腹痛、膨満感、もたれ感、はき気、出血などの症状がみられることがあります。しかし、早期胃癌はほとんどが無症状です。ときに早期胃癌でも症状のみられることがありますが、その多くは早期胃癌に潰瘍を伴った場合です。 胃癌を早期に発見するためには、気になる症状があれば早めに、無症状であっても年に1回は医療機関で受診し、いやがらずに胃X線検査や内視鏡検査を受けることをお勧めします。
 癌は確かに恐ろしい病気ですが、早期胃癌はほぼ治る病気となってきました。癌といってやみくもに怖がったり、癌ノイローゼになったりせずに定期的に検査を受け、胃癌はなくそうではありませんか。