かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師

薬局のイラスト1.かかりつけ薬剤師とは?

最近、「かかりつけ薬剤師」という言葉をよく耳にするようになったと思いませんか。

平成 28 年度の調剤報酬改定で初めて点数化された「かかりつけ薬剤師」とは、薬による病気の治療・予防の事から健康や介護に関すること、食事・運動・排泄などの日常生活に至ることなどに豊富な知識と経験を持ち、患者さんや生活者のニーズや相談に応えられる薬剤師の事をいいます。

2.まずはかかりつけ薬局を決めましょう

「かかりつけ薬剤師」を持つメリット、探し方についてお話しします。

皆さんは、「かかりつけ薬局」をお持ちですか ?

「薬局」は病気・健康・薬の事なんでも相談ができるパートナーです。
まずは、話がしやすいとか顔が見えるとか馴染みの薬剤師がいる「かかりつけ薬局」を一つ決めましょう。

皆さんが服用している薬を一つの薬局でまとめて管理することで、複数の医療機関(処方元)から同じ薬が処方されていることに気が付く事や、薬の飲み合わせを確認する事ができます。
また、薬局では処方箋による調剤だけではなく、一般用医薬品(以下 OTC)や健康食品等の相談も行っています。

軽い病気、例えば、風邪の引始めによる鼻水・くしゃみ等の症状時には、薬剤師が症状に合わせて医療機関への受診を促すことや適切な OTC を選ぶお手伝いをする事があります。
複数の薬局に行くのではなく、いつでも気軽に相談できる「かかりつけ薬局」を一つ決めましょう。

3.かかりつけ薬剤師を探しましょう

「かかりつけ薬局」が決まったら、次に「かかりつけ薬剤師」を探しましょう !

複数の医療機関から様々な作用のある薬を服用している場合、飲み合わせに注意する必要があります。
同じような薬が重なって処方されている、効きめが弱くなる薬同士が処方されている、期待している効果が現れない、副作用のリスクが高まる等、いろいろなケースが想定されます。

また、OTC や健康食品等との飲み合わせにも注意が必要な場合があります。
このような心配ごとについても、日頃から健康や薬のことを気軽に相談できる薬剤師がいれば安心です。
「かかりつけ薬剤師」は、皆さん一人ひとりの服用による健康維持がより効果的なものになるようお手伝いします。

次に自分に合う「かかりつけ薬剤師」をどのように探すかについてです。
まずは、「かかりつけ薬局」にいる薬剤師・医療事務に相談しましょう。

中日調剤薬局では、患者さんのプライバシーを確保した座り投薬、また、コロナ禍においてパーテーションで区切るなどの配慮をベースに、患者さんの姓・年齢・病気等から一番相応しい薬剤師を選択しています。
例えば、小児科の患者さんには同年代の子供がいるパパママ薬剤師、女性特有の病気の患者さんには女性薬剤師、耳が聞こえづらい患者さんには声の低い男性薬剤師など複数の薬剤師からこの人という薬剤師を選択し担当します。
患者さんの心に寄り添うことで、親近感が沸き会話が進みより多くの情報が得られ、ご自身の薬・健康の悩みに深く関わる事で少しずつでも解決に向かうお手伝いが出来るようになります。

ここで、患者さん約 1000 人に対する調査結果を紹介します。
「この薬局に来て良かった」と感じた経験の有無に、80.3% が「ある」と回答し、その理由の1位は、「薬剤師の対応が良かった」です。
「この薬剤師に担当してもらってよかった」と感じた経験の有無に、73.5% が「ある」と回答し、その理由の上位2項目は「言葉遣いや態度がきちんとしていて感じがよかった」「薬や病気について分かりやすく説明してくれた」です。
また、「薬をもらった後、薬の飲み方や副作用などについて改めて確認・相談したい」と思った経験の有無に約 21.5% が「ある」と回答しています。
この調査からも、「かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師」への期待は高く今後も必要性が高まっていくことになります。

4.さいごに

最後に、日本人はプライベートを大事に自分自身のことについて他人には知られたくない人種と言われています。
しかし、病気・健康・薬に関しては、何でも相談できる「かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師」を見つけてください。

(エスエル医療グループニュース No.160 2022年4月)

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