- 2026.4.20
- 亀井内科・呼吸器科
- 投稿者:副院長 亀井 博紀
膠原病という言葉をご存知でしょうか?聞いたことはあるけどどういう病気かはよく知らないという方がほとんどではないでしょうか。
ここで少し解説していきましょう。
■どういう病気?
膠原病は一つの病気の名前ではありません。
自己免疫性疾患と言って、通常は異物を排除するために働く免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう疾患群のこと指しています。
膠原病の中に関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、皮膚筋炎・多発筋炎、強皮症、血管炎などの病気が含まれます。
■原因は?
原因ははっきりとは分かっていません。
一部の膠原病は遺伝的な要因も考えられる様になってきました。
ただし、遺伝的な要因だけでは発病はせず様々な環境因子が発病に関連していると言われています。
具体的には風邪等のウイルスや太陽からの紫外線の影響で発病することなどがあります。
喫煙などの生活習慣は発病には直接関連しません。
ただし、増悪因子になるため注意が必要です。
■どういう症状?
症状はそれぞれの病気毎なので一口には説明できません。
疑うきっかけになる症状としては原因不明の発熱、関節の痛み、皮疹などがある場合には膠原病の特徴があるか全身を診ていく必要があります。
また、特徴的な症状の一つとして冷たい水につけたときや気温が寒くなったときに手足の先が白色や紫色に変化する “ レイノー現象 ” という徴候もあります。
代表的な病気の症状を少しみていきましょう。
◎関節リウマチ(RA)
他の病気に比べて圧倒的に多いので膠原病と別に扱われることも多いです。
関節に炎症を起こし腫れて痛みがでます。
指の一番先の関節には炎症は起きません。
朝のこわばりは1時間以上続きます。
◎全身性エリテマトーデス(SLE)
代表的な膠原病です。
比較的若年の女性に多いです。
発熱、関節の痛みや腫れ、顔の湿疹、脱毛、痛みのない口内炎が起こります。
他にも腎臓や胸膜(肺の膜)など様々な臓器に障害を引き起こします。
◎シェーグレン症候群
唾液や涙が出にくくなる乾燥症状を起こします。
他の膠原病との合併も多く、特に関節リウマチを合併します。
◎皮膚筋炎・多発筋炎
筋肉に炎症を来します。
特徴的な湿疹を伴うものを皮膚筋炎、伴わないものを多発筋炎と言います。
症状としては、階段の昇り降りがしにくいなどの筋力低下の症状や筋肉の痛みを伴います。
間質性肺炎を伴い治療を急ぐときもあります。
◎強皮症
手の指先から皮膚が硬くなる病気です。
先ほど説明したレイノー現象がほぼ 100%起こってきます。
安定して経過することが多いですが、肺の合併症として間質性肺炎や肺高血圧という呼吸に関する症状も起こすため定期的に診察することが重要で
す。
◎血管炎
炎症が起きる血管の太さによって病名や症状が異なります。
共通する症状としては発熱、倦怠感などの全身症状、手足のしびれなどの神経症状、皮疹などが起こります。
■診断は?
病歴・診察から疑い血液検査などを行います。
特殊な抗体検査を行いますが、血液検査のみでは病気の肯定も否定もできません。
色々な検査や診察所見からの総合的な判断により診断基準と照らし合わせて診断します。
■治療は?
各膠原病によって異なります。
近年リウマチを始めとして治療が非常に進歩しています。
特にリウマチ治療の進歩は目覚ましいものがあります。
免疫抑制剤と呼ばれる薬を使うことが多くなり、その中にはステロイド剤も含まれます。
副作用も多く細心の注意が必要となります。治療が難しいイメージがあるかもしれません。
もちろん重症度によりますが、多くの場合はきちんと治療を行えば日常生活は支障なくおくることができます。
■最後に
膠原病は何気ない症状の中に隠れている可能性があります。
きちんと診断し治療の必要性を考える必要があります。
原因がはっきりしない発熱や関節の痛み、皮疹、レイノー現象などがあれば一度受診して医師に相談しましょう。
(エスエル医療グループニュース No.147 2017年12月)
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