目まいが時に起こります。
目まいは雲の上を歩くような浮遊感が強く、景色が回転するような感じはまれです。
また、立ち上がった時、立ちくらみを伴うこともあります。
以前から高血圧、糖尿病を指摘され、治療を受けています。
(名古屋市・68歳の男性)
目まいには内耳性のものと、中枢性のものがあります。ある程度、高齢に達した方では脳血管障害と関連した中枢性目まいを可能性の一つとして考えなければなりません。特に高血圧、糖尿病、高脂血症など動脈硬化の危険因子を抱えている方は可能性が高いと言えます。このタイプの目まいは、浮遊感、立ちくらみの方が主体で、回転性の目まいに比べて軽症のように見えますが、時に脳こうそくに進展する場合があります。
手足の麻痺、ろれつ困難、顔面感覚障害、後頭部痛などを伴う場合は、至急専門医の診察を受けることをお勧めします。診断は神経内科、耳鼻科的診察のほかに、脳CTやMRIなどの画像検査で脳幹周辺の病変の有無について調べます。さらに、MRIで脳血管の状態を頚動脈・椎骨動脈の超音波検査で動脈硬化や脳血流の状態を評価する場合もあります。これらの検査で脳血管の狭窄による目まいと診断されたら、脳循環改善剤、抗血小板剤などの投与が必要となります。
現在、高血圧、糖尿病の治療を受けているとのことですが、目まいについても症状を詳しく話すのが先決です。