ストレスによる胃腸疾患:過敏性腸症候群
現代はストレスの多い時代です。最近の日本の経済不況や、地球温暖化による夏の猛暑などもその一因となっているかもしれません。人はストレスを感ずる生物であり、すべての人にはいろいろなストレスがあります。ただし、その受けとめ方は人それぞれに異なっています。うつ病や自律神経失調症などの精神・神経障害をきたす人もいますし、慢性的な胃腸障害をきたす人もいます。
過敏性腸症候群は腹痛や腹部の不快感、下痢や便秘などが続く病気で、検査をしても異常はみられません。その発症にはストレスが関係しています。一般の人の約20%にみられ、最近増加しています。治療としてはまず食事や生活習慣を改善し、ストレスの解消法をみつけることです。それでも改善のみられない場合には、症状に応じた各種の薬剤が使われます。もちろん、似たような症状を呈する病気は他にもたくさんありますので、検査を受けることも必要です。大腸癌などの病気を除外しておくことが大切です。気になる症状のある方は、精神的ケア―を含め、一度医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。自分の身体に対する自信が、ストレスや仕事に対する自信にもつながることもあると思われます。