主人が職場の健康診断で肝機能異常と診断され、
結局、B型慢性肝炎であることがわかりました。
症状は全くありませんが、心配です。私にも感染している可能性はあるのでしょうか。
(名古屋市・主婦 31歳)
慢性肝炎はB型及びC型肝炎ウイルスが主な原因です。
B型肝炎ウイルスの感染は血液を介するもので、性行為などによって起こる水平感染と、出産時に起こる母子感染の二つがあります。水平感染は急性肝炎を起こしますが、特別な場合を除いて慢性化することはありません。母子感染は持続感染となり、肝機能検査で異常のない無症候性キャリアや、慢性肝炎、肝硬変など多岐にわたる病態を示します。
B型慢性肝炎の治療においては肝硬変、さらには肝細胞がんへの進展を阻止することが重要となります。治療法としては、安静療法、食事療法、薬物療法があります。使用される薬物にはインターフェロン、ステロイド、プロパゲルマニウム、グリチルリチン剤、小柴胡湯などがあります。実際の治療法は病態によって異なるため、ご主人の場合、まず専門医に相談されることをお勧めします。B型肝炎ウイルスの感染予防剤としては、HBヒト免疫グロブリンとHBワクチンがあります。これらを接種することによって母子感染は劇的に減少しました。
奥さんの場合は、検査を受けてまだ感染していなければ、これらの予防剤を接種されるとよいでしょう。